日本屈指の漫画オタク・吉野シンゴの人生を変えた!完結済み傑作漫画ランキング!!

どうも、-秘密結社ATrACT-代表取締役社長・吉野シンゴです。

突然ですが、私は日本屈指の漫画オタクです。その起源は、小学1年の頃。大病を患い入院した暇とエネルギーを持て余すガキンチョであった私が病院を駆けずり回った然る後、点滴が体のいたるところに絡まり付き窒息死に至ることを予見した母親が買ってきてくれた月刊コロコロコミック2005年7月号を手にした瞬間から、私のまんが道は開かれたのです。漫画って面白い!という世紀の大発見をしてしまった私は、その日から漫画を読み漁って参りました。病める時も健やかなるときも、私は漫画と共にありました。そもそも思い返してみれば、あの日、母上がコロコロコミックを与えてくれなければ、私は窒息死していたわけですよ。漫画が無ければ私は死んでいた。つまり、漫画は私の命そのものであるのです。

小学生の頃は、毎月のお小遣いの半分以上を月刊コロコロコミックに費やし、
中学生になるころにはコミックスを古本屋で集めるようになり、
高校を卒業するころには、自室は漫画で埋め尽くされていました。
ちなみに漫画の量が多くなりすぎて母上から真面目なお説教を受け始めたのもこの時期。
東京の大学に進学することになり、愛しの漫画棚とお別れをしてひとり上京。
新しく大きな本棚を一つ建て、この本棚を大学四年間で完成させよう、と心に決めていたのですがものの半年で一つ目の本棚は満杯に。ちなみに3年生になったばかりの今現在で本棚は3つ埋まってしまっています。このペースでいくと大学を卒業するころには部屋が漫画で埋め尽くされ、漫画に押しつぶされて死んでしまいます。漫画に救われた命が漫画に殺されていく。もはや本望か。

というわけで、小学1年から大学3年までの十余年間。私は命をかけて漫画を読み漁ってきたわけです。そんじょそこらの漫画好きとはワケが違うワケですよ、と、自負しております。

今回は、私の漫画人生の総決算。そんな日本屈指の漫画オタクであるこの私の「人生を変えた!!」完結済み傑作漫画ランキング!!を発表します。
良い漫画は読む者の心を揺さぶります。その感情は感動であったり驚愕であったり様々ではありますが、とにかくあいつらは我々の魂を揺さぶってきます。

 

第15位:不良高校生が夢の舞台「甲子園」を目指す姿に、素直な涙が。

『ROOKIES』森田まさのり

試合中の不祥事により活動停止状態の二子玉川学園高校野球部。新人教師の川藤は、自ら不良達の集まる野球部の顧問となる。怠慢な日々を送る不良達に、夢を持つことの素晴らしさを叫ぶ川藤だが。

漫画を読んではじめて泣いた

『ROOKIES』は私が小学生の頃にテレビドラマ化され一大ブームを巻き起こしましたが、その放映の少し前に父がラーメン屋で読んでドはまりしたらしく、気が付いたら家に全巻揃っていました。「シンゴ、こいつは熱すぎる。この漫画を読んでくれ」と父に勧められるがまま読み始めたこの『ROOKIES』に私はいたく感動し、涙が溢れて留まらなかったのです。

過去に過ちを犯した不良高校生たちが、熱血教師に引っ張られて甲子園を目指す。もう、その熱量が凄まじい。最初は反発してバラバラだったヤンキーたちが改心し、甲子園という一つの「」に向かって突き進む姿に、胸を焦がさずにはいられません。
主人公の熱血教師・川藤も実は過去にある過ちを犯し教育界を追われた身なのですが、過ぎてしまった過去を悔やむよりも未来に向かって突き進め、といった前向きなエネルギーに満ち溢れていて、非常に気持ちが良い作品でした。

「夢」の大切さ。一生懸命になることの素晴らしさを教えてくれた漫画です。
「夢にときめけ 明日にきらめけ」!!

 

第14位:サイバーパンクに屑鉄街…ハードSFな圧倒的世界観に惚れた…!

『銃夢』木城ゆきと

「空中都市・ザレム」に支配される地上世界。クズ鉄町に住むサイバネ医師・イドは、瓦礫に埋もれていた少女を見つけ、ガリィと名付ける。ガリィの中には「戦う血の記憶」が眠っていた…!!

高校1年の頃。はじめて読んだハードSF。男子高校生・吉野シンゴは、その圧倒的で独特な世界観や練り込まれ過ぎて底が見えない男心をくすぐる設定の数々にすぐさま惹き込まれてしまったのでした。

物語の舞台は今より遥か未来。天空都市が吐き出すゴミを利用して暮らす人々が住む屑鉄町。その瓦礫の中から発見された少女・ガリィ。彼女は医師にサイボーグの身体を与えられ、とある因果から戦いに身を投じていく…

天空都市・屑鉄街・サイボーグ…中二心をくすぐってやまない数々の設定がもう憎たらしい。そして次第に明かされていくガリィの過去やこの残酷な世界の成り立ち…ワクワクせずにはいられない。

そんな練り込まれ過ぎた設定もさることながら、この漫画で強く描かれていたのは「人として生きる強さ」。サイボーグであるはずのガリィが誰よりも人間らしく、美しい。残酷な未来都市で自らの過去と向き合い、強く生き抜く少女の「人間性」に心を揺さぶられてほしい。

ちなみに、あの映画界の巨匠・ジェームズキャメロンはこの作品に惚れ込み、2018年夏には待望のハリウッド実写化。いや、本当に待望だったんですよ。10年ほど前からハリウッド化するする言ってたのに、なんか『アバター』とかつくってましたからね、彼。10年分の期待を込めて観に行きます。

 

第13位:冒険しない「ジョジョ」ッッ!立ちはだからないラスボスッッ!!

『ジョジョの奇妙な冒険 第四部 ダイヤモンドは砕けない』荒木飛呂彦

杜王町に住む高校生、東方仗助。見かけによらず気弱な性格だが、自慢のリーゼントをけなされると途端に豹変、スタンド能力を発現させる。ジョナサンの身内という彼を訪ねた空条承太郎は、そのスタンドを目にし、仗助にそして杜王町に迫る危機を察知するが…!?

第11位は…みんな大好きジョジョ!私も大のジョジョファンなのですが、「何部が一番好き?」というジョジョファンお決まりの質問には「第四部ッ!」と声を大にして答えます。ええ。色々と衝撃でしたよ第四部は。

あ、ジョジョを知らない人に解説しますと、『ジョジョの奇妙な冒険』という漫画は通巻すると100巻以上出ている長寿漫画なのですが、その実は第◯部と細かく分けられていて、まあどこから読んでも基本的に大丈夫なのです。「ジョジョには興味があったけど、長すぎて手が出せずにいた」という方は気になる面白そうな第◯部から読み始めるのも良いのかもしれません。そして私が一番好きなのはこの第四部なのですが、こいつはジョジョ界でも少々異色でグレートですのでご注意ください。でも面白いことに変わりはない。

・ココがスゴイッ!ジョジョ第四部衝撃ポイントその①:冒険しないジョジョ
はい、まず最初の衝撃ポイントは、ジョジョ一行が冒険をしないということ。第四部の舞台は1999年の日本S市杜王町。はい、この杜王町から一歩も出ません。ジョジョの奇妙な冒険しない。
日常に潜む奇妙。それを魅せるのが本当に上手い。例えば、命がけのジャンケン勝負。はたまたイタリアンレストランに食事に行くお話から漫画家の家に遊びに行くお話。何気ない日常を、ジョジョの世界観で、「スタンド」と呼ばれる特殊超能力を織り交ぜ、あれほど奇妙にそして真剣に描ける。その手腕に脱帽です。

・ココがスゴイッ!ジョジョ第四部衝撃ポイントその②:立ちはだからないラスボス・吉良吉影
吉良吉影、コイツはグレートですよ。普通、少年漫画のラスボスといったら主人公の前に堂々と立ちはだかるじゃないですか。それこそこの前の部のラスボス・DIOはバァァーーンッ!!と立ちはだかりますよ。何世紀もの因縁を背負って。しかし、吉良は違うッ!吉良は戦いを避け続ける。殺人を犯さずにはいられないという己の性(+異常な性癖)を満たす為、警察などに目を付けられたくはありません。目立たない静かな生活を送ることが人生の目標。吉良吉影は静かに暮らしたいのです。ラスボスのくせに。こちらとしては、連続殺人鬼だから放ってはおけないのだが、なかなか尻尾は掴ませない。そんでもって、いざ闘おうと思ったらめちゃめちゃに強い。未だかつて、こんなに最悪な敵役が存在したであろうか。そんな魅力たっぷりな吉良吉影と、

ジョジョ第四部をどうかよろしく。

 

第12位:この世界は間違っている…?果てない選択を迫られ続けるダークファンタジー。

『東京喰種 トーキョーグール:re』石田スイ

群集に紛れ、ヒトの肉を喰らう。ヒトの形をしながら、ヒトとは異なる存在…“喰種”。“喰種”を駆逐・研究する〔CCG〕は、あるひとつの命題を果たすため、実験体集団を新設。──その名は「クインクス」。「まともな人間」ではない彼らと、佐々木琲世一等捜査官が“東京”で向き合うものとは──!?

第12位は、つい最近、無事に結末を迎えました『東京喰種 トーキョーグール:re』。

一時期、友人らにオススメの漫画教えて!と聞いて回ったところ、その7割が声を揃えて『東京喰種 トーキョーグール』だと言ってきやがったので。コイツらまさかグールなのでは…?と警戒しながら読み始めました『東京喰種 トーキョーグール』。凄く面白かった。連載中の漫画は買わない、という鋼の掟を破って良かった。最近はもうワケあって掟破りまくりですケド。

人の姿形をしながらも人を喰らわねば生きられない怪物・喰種(グール)が潜む世界。ある日、不慮の事故により喰種となってしまい、喰種の世界を生きることとなる青年の「悲劇」を描いた『東京喰種 トーキョーグール』の続編にして完結篇が、この『東京喰種 トーキョーグール:re』。前作が喰種サイドのお話であったのに対し、今作では喰種に対抗する組織・CCGの視点から物語は展開します。

人間には人間の正義があり、喰種にも喰種の正義がある。それぞれの正義がぶつかり合い、激しい葛藤を繰り広げるのは前作同様の読み応えを保証しましょう。

今作ではその正義すらも超越した巨大な陰謀や謎が渦巻く、重厚なストーリーテリングが待ち受けていた。遂に明かされる喰種の秘密や組織の正体には驚かされっぱなし。前作から緻密に練り上げられたストーリー構成には頭が上がらない事でしょう。

もうひとつ特筆すべきは、画がもはや芸術品の域であるということだ。莫大な漫画を読んできた私でさえ見たこともない独創的かつ芸術的なその画。好い意味で変態じみていく漫画表現に私の舌は巻かれっぱなし。カメレオンになるかと思った。

さて、『東京喰種 トーキョーグール』『東京喰種 トーキョーグール :re』を通してのテーマとされている「この世界は間違っている」。喰種と人間の間を揺れ動き、果ての無い選択を迫られ続けた彼らが最期の最期に辿り着いた答えを、見届けてほしい。

間違いなく、漫画の歴史に名を刻む事となろう傑作。リアルタイムで読めて良かった。

 

第11位:禁忌を犯した兄弟。すべてを取り戻す為の旅路の果てに辿り着いた「真理」とは。

『鋼の錬金術師』荒川弘

禁忌とされる人体錬成を行った二人の兄弟、エドワードとアルフォンス。絶望の淵に立たされながらも、全てを取り戻そうと決意した兄弟の旅が今、始まる──。

少年漫画としての完成度が高過ぎる。ハッキリ言って異常な。

先ず、錬金術で戦うっていう世界観がカッコ良過ぎるよね。錬金術とか憧れるに決まっとるやん。たぶん連載中に読んでた中二小僧は指パッチンと手パンのし過ぎで指紋と手相が擦り減ってるぞどうしてくれる。

私が『鋼の錬金術師』を読み始めたのは中学二年の頃で、映画『鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星』の公開に合わせてブックオフでせっせと買い集めていたんですよ。とにかく、最初の頃はただカッコ良くて読み進めていたんですね。単純に主人公も仲間も敵もカッコ良くって、奴らの使う錬金術に憧れて、そのダークな雰囲気に魅了されていました。

でも、物語が進むにつれて少年たちは気が付いてしまうのです。これがただのカッコ良いだけの漫画ではないことに。練り込まれた設定に世界観。次第に次第に明かされていく錬金術の謎や世界の歴史。張り巡らされた伏線が一気に回収される様は読んでいて気持ちが良い!

錬金術師たちの全てを取り戻す旅路の果てを見届けてくれ。

 

第10位:「寄生獣」の正体が明かされたシーンには鳥肌が止まらなかった。

『寄生獣』岩明均

突如飛来した寄生生物たち。彼らは人間の身体に侵入し脳を乗っ取り、他の人間を食い殺し始める。高校生・泉新一の身体にも寄生生物が侵入するが、脳の乗っ取りに失敗し彼の右手に宿ってしまう。自ら「ミギー」と名乗った寄生生物は新一と奇妙な共存関係になる。そんなイレギュラーな存在となった新一とミギーは寄生生物たちとの壮絶な戦いに身を投じる!

「わからん……尊いのは自分の命だけだ…… わたしはわたしの命以外を大事に考えたことはない」。これは、寄生生物・ミギーの言葉だ。「人間の命は尊い」のだと、それまで何の疑いも持たずに生きてきた。勝手に信じてきた「人間」の価値観がひっくり返った瞬間だった。

漫画史に残る哲学的傑作『寄生獣』。

「シンイチ……『悪魔』というのを本で調べたが……いちばんそれに近い生物は やはり人間だと思うぞ…… 人間はあらゆる種類の生物を殺し食っているが わたしの『仲間』たちが食うのは ほんの1~2種類だ……質素なものさ」。

強烈なメッセージ性もさることながら、『寄生獣』はただ説教臭いだけでは終わらない。この作品の面白さは王道的ともいえるエンタメ性にも宿っている。ミギーとシンイチの闘いの日々。彼らが苦難を乗り越えていく姿には胸が熱くなるし、友情・絆のようなものの芽生えには感動すらする。

物語が進むにつれて、細やかに張り巡らされた伏線が功をなしていく。「寄生獣」の正体が明かされたシーンには鳥肌が止まらなかった。そして、その正体を知った上で迎えるラストシーン。最後の最後に気付かされる「寄生獣」の本当の意味に涙した。

強いメッセージ性と強いエンタメ性を兼ね備えた、文句のつけようのない傑作だった。

 

第9位:こんな本屋さんが本当にあったらいいなぁと思ったので、僕がつくることにします。

『「あの商店街の、本屋の、小さな奥さんのお話。」』高橋しん

時は昭和中期。田舎から、東京郊外の本屋の旦那様の所に嫁いできた“奥さん”。
しかし旦那さんはすぐに亡くなり、奥さんは本屋を一人で切り盛りすることに。
商店街の人々をまきこみながら、独自の書店商売を繰り広げる奥さんの「恋物語」。

私に「日本一の古本屋をつくる」という夢を与えてくれた一冊。『キャプテン翼』を読んでサッカー選手を目指した少年がいるように、私はこの漫画を読んで本屋を志しました。単純すぎるかもしらんが、憧れてしまったものはしようがない。漫画の力ってすげえなぁ。

一般常識も・本のことも・経営のことも何も知らない田舎の農家出身の奥さんが、亡くなった旦那様の夢を実現しようと、商店街の人たちを巻き込みながら本屋をなんとか切り盛りしていく。

健気な・一生懸命な奥さんの頑張りが、周りをもプラスの方向に導く。本に・人に対する愛情に満ち溢れた一作でした。

私にとってかけがえのない、とても暖かく素敵な物語。

 

第8位:口だけ野郎共、目を覚ませ。

『描かないマンガ家』えりちん

進化し続ける漫画業界に新たなマンガ家が現れた。“描かないマンガ家”である!絶対にハズさないマンガ家・器根田刃(きねだやいば)先生のNEVER STARTING STORY!!

目が覚めた

大口ばっかたたいて、実際にはなーんにも行動しない。
そんな男。自称漫画家・器根田刃(26)。
全力で現実から逃げて逃げて、偉そうなことばっか言って、でも、漫画に懸ける情熱(※あくまで口だけ※行動は一切しない)で周りを勇気づけて…そんな彼がなぜかサイン会をしたり、スタジオを探したりで…!?
前半はそんなコメディ調の漫画で楽しく読めました。

しかし、物語後半。現実が襲いかかってきた。

彼が意地でも漫画を描かないその間に、見下していた仲間たちは少しづつ、でも確実に成長していた。気が付けば彼らとの間には大きな大きな差が…
彼らから痛いほどに現実を突きつけられた器根田は、遂に漫画を……!

自分の不甲斐なさに気が付いた。俺も、器根田と同じ口だけ野郎だった。
結局、何かを成し遂げるためには努力するしかないんだな。

読めば、動き出さずにはいられない。

 

第7位:クールなセンスと熱い魂を併せ持つ、俺の原点。

『BLEACH』久保帯人

 黒崎一護・15歳・ユウレイの見える男。その特異な体質のわりに安穏とした日々を送っていた一護だが、突如、自らを死神と名乗る少女と遭遇、「虚」と呼ばれる悪霊に襲われる。次々と倒れる家族を前に一護は!?

最高にクールで、最高にスタイリッシュで、最高にオサレで、最高にアツい魂を宿らせた漫画。

『BLEACH』は私が初めて集めたコミックス。私が日本一の漫画オタクになるきっかけであり、言うなれば私の原点。この第7位という高順位はぶっちゃけ思い出補正が尋常でなくはたらいております。が、お忘れなく。コレは「面白い漫画ランキング」でも「おすすめ漫画ランキング」でもなく、「吉野シンゴの人生を変えた漫画ランキング」である。

物語自体は正直まあ滅茶苦茶なもんである。整合性の取れない展開・無かったことにされる設定・ひょっこり出てきて幅を利かせやがる後付け・頭が悪すぎるパワーバランス…とまあ、書き出したらキリがない。冷静に考えたら穴だらけのストーリー展開が繰り広げられる。

では、何故。そんな滅茶苦茶な漫画に私は惹き込まれてしまったのか。その答えの一つは「ライブ感」。『BLEACH』を読んでる最中は、最高にアツくなれる。くそかっけぇ。後で読み返して冷静になって考えて、ここがおかしいだとか矛盾点があるだとか。今はそんな話はしていないじゃないか。その瞬間、最高にアツくなれた。それがすべてではないのか。

そして、よ。最高にオサレ。これも重要なファクター。セリフ・キャラデザ・技・詠唱。全てにおいて洗練されている。スタイリッシュ。オサレ。このオサレさを目の当たりにしてしまったら、他の漫画がすべてイモにみえる。オサレって言っと置けば許されると思うなよ。

まあ要するに私は『BLEACH』にぞっこんなのである。結婚してくれ。『BLEACH』への愛を語りだしたら人生が5回ぐらいあって足りない。それで5回とも、同じ漫画(『BLEACH』)を好きになる。なんだこのレビュー。

 

第6位:天才漫画家が好き勝手に描きやがった大傑作。

『レベルE』冨樫義博

『HUNTER×HUNTER』の冨樫義博が世に問う異色の連作集! 宇宙一の天才的な頭脳と美貌、そして最悪な性格の持ち主・ドグラ星第一王子…人呼んで「バカ王子」。その魔の手から地球を守るのは…熱血健康優良野球少年7番レフト・筒井雪隆。襲い来る魔物の群れに…不承不承立ち向かう悪ガキ5人組。その智略を尽くした剣・棒・術・策! 塾があるのに…。塾か? 世界平和か? そして…廊下は走るな!

天才・冨樫が本当に好き勝手に描きやがった大傑作。滅茶苦茶に楽しんで自由に描いてたんだなぁって事がバシバシ伝わってくる。なんとこの作品、天下の「週刊少年ジャンプ」で、アシスタントを使わずに月一掲載。この連載スタイルからも好き勝手っぷりがうかがえる。…今の方が自由奔放か。連載再開、心待ちにしております。

さて、この『レベルE』。地球にやって来たドグラ星のバカ王子が暇つぶしに起こす悪ふざけを軸とした物語がオムニバス形式で展開されます。主人公のバカ王子が最強に良いキャラしてるんだよね。良いキャラと言っても性格は悪い。宇宙一とも称される超天才的な頭脳を持つが、その能力は「民衆の支持を下げずにいかに苦しめるか」といった意地悪にばかり浪費。自分が楽しむ分には周りの迷惑などこれっぽちも考えません。まったくいい迷惑です、当事者からすれば。外から見てる分には最高に面白いんですねコレ。

そんなバカ王子が巻き起こす珍騒動、どの話も我々の想像の斜め上を行く!!一ひねり、二ひねりじゃ足りない。短編漫画としてこれほどの完成度を誇る作品はそうそう無いであろう。あの難しい冨樫が本気で楽しんで描いているんだから、これが面白くないわけないよね。

たった全三巻とは思えない満足度、大興奮の連作短編集。ようこそ冨樫ワールドへ。

 

第5位:古代中華ファンタジー。と見せかけておいて、こりゃないぜ。

『封神演義』藤崎竜

現代から三千年以上前の古代中国、殷王朝時代。邪心を持つ仙女・妲己に、皇帝・紂王が心を操られ国は乱れた。そんな人間界を救う為「封神計画」が始動した。その実行者として太公望が選ばれ…。

古代中国、殷王朝時代。「封神計画」をめぐる壮大なる仙界浪漫『封神演義』。原作は中国の古典怪奇小説だ。

まずオススメしたいのが、主人公・太公望のキャラクター。何を隠そう、今まで何千冊と漫画を読んできた私が全漫画の中で最も好きなキャラはこの太公望。

週刊少年ジャンプの主人公といえば、もの凄く強くて・頼りがいがあり・みんなの憧れの存在であるというのがイメージされるだろう。だが、太公望ははっきり言ってその対極にいる。物語は王道的な超能力バトルなのだが、主人公である太公望の能力はあまり強くない。いや、強いっちゃ強いんだけど、周りの敵味方は更にめちゃめちゃ強くて太公望の能力は霞みまくり。

では彼の何にそこまで惹かれてしまうのかといえばそれは彼の明快かつだらしない頭脳・マイペース上等な性格・溢れる人望。周りが反則級にめちゃめちゃ強い中、彼は頭脳戦を得意とし、あの手この手で敵を巧みにペテンに掛ける。時には味方からもブーイングを受けるほどの卑怯な手を堂々と使うジャンプに未だかつてこんなにセコイ主人公がいたであろうか。

行動・ギャグのセンスは良くも悪くも飛び抜けている。

しかし、やるときはやるのが彼のニクいところ。普段は飄々とおちゃらけていて碌に戦いもしないくせに、いざ感情をあらわにし本気を出せば、それはもうカッコいい。仙界大戦のクライマックス,聞仲と対峙する太公望の姿には…そんなギャップに一目惚れ間違いなしだ.

あ、齢72歳。ジャンプに未だかつてこんなにジジイ主人公がいたであろうか。

そして。『封神演義』を語る上で欠かせないのは、その圧巻のストーリー構成。原作は中国の古典怪奇小説と上記したので、ストーリー構成も何もあったもんじゃないだろうと思うかもしれないが、それは大きな間違いである。

確かに大筋は原作小説通りだ。しかし、物語も終局を迎える全23巻中の第20巻目。ここにきて物語は原作を完全に無視してとんでもない方向へと走り出す。

はい、その通りです。やらかしてくれましたね、藤崎竜。まったく納得いかないぜ…

と、ならないのが藤崎竜版『封神演義』の凄いところ!!

なんとその大変換点への布石は、既に。物語序盤から着々と仕込まれていた!読み返してみれば、あぁ納得。フジリューは誰に感づかれることもなく収束に向けての伏線を貼り続けていたのだ。読者のほとんどがギャグとして切り捨てていたあの行動や何気ないあのセリフ・お洒落なネーミングに、こんな真意が隠されていようとは。連載中に気が付いた人はたぶんいないだろう。読み返してみてはじめて、幾重にも張り巡らされたフジリューの罠に気が付くのだ。最高に気持ちが良い。

ということで、終盤も終盤に驚愕の完全オリジナルストーリーに突入したフジリュー版『封神演義』は、その勢いのまますべての伏線を回収しつくし、無事に大団円を迎える。ちなみに主人公・太公望の’正体’も「封神計画」の真意も、この終盤でやっと明かされる。物語構成が巧すぎて。このラスト3巻はもう、幸せなため息と脳汁が溢れ出して止まらない。

もちろんそれまでの仙界超能力バトル漫画も天下のジャンプで20巻も連載を続けられるだけあって王道的で面白いのだが、このラスト3巻は次元が違う。ジャンプ漫画は引き延ばし被害にあいがちだが、『封神演義』は不気味なほど鮮やかに終局を迎えた。ジャンプで、いや漫画界を広く見渡しても、これほど綺麗に風呂敷を畳んだ漫画は珍しいだろう。フジリューのストーリー構成に、ただただ驚愕してしまう。

……めちゃくちゃ長くなったな…主人公・物語構成以外にも、至高の敵キャラ・聞仲のイケメン具合であったり絶望感であったり、群を抜いたギャグセンスであったり、ギリギリアウトなメタ発言集であったり、ロリッ☆であったり、秘湯混浴刑事エバラであったり……まだまだ語りたいことは山ほどあるのだが、それを描いていたら原稿用紙と時間がいくらあっても足りないので、今回はこのあたりで筆をおかせていただく。

 

第4位:あの奇跡のような日々は。

『ハチミツとクローバー』羽海野チカ

6畳+台所3畳フロなしというアパートで貧乏ながら結構楽しい生活を送る美大生、森田、真山、竹本の3人。そんな彼らが、花本はぐみと出会い……!?

恋愛に、というか人生に不器用な美大生達の切ない恋模様。モラトリアム最終段階の大学生。しかも美大。才能との戦いの場。人一倍、自分の才能や生き方について迷う若者達

高2の頃、友人から借りた『3月のライオン』に魅了され。気が付けば私は羽海野チカ作品を全て揃えていました。

基本的にハイテンションで最高に楽しいんだけど、たまに見せられるシリアスで詩的なシーンには心揺さぶられてしまう。この辺のバランスがとても上手いんだなぁ。

それに、あの結末は、予想もできなかった。良い幕切れでしたね。

とにかくギャグも好きだし、シリアスも魅せられるし、ふわふわした画も可愛いし、セリフも心に突き刺さるし、なんだ、ただの完璧漫画じゃん。

うまくいかなかった恋に、意味はあるのか。消えて行ってしまうものは無かったものと同じなのか。自問自答を続けた若者たちの見つけ出した答えとは。もう二度と戻ることのできない「青春」という時代に涙すべし。大学生は読め。

 

第3位:愛してんよ。

『ピンポン』松本大洋

松本大洋が描く卓球というスポーツ!!青春真っ只中の高校生・月本(スマイル)と星野(ペコ)が、冷たく、そしてカッコイイ“スポ根”の世界を駆ける!!

中学から高校にあがる春休み。今となっては何故観たのかも思い出せない(おおかた、見て見ぬふりをし続けた宿題の代わりに観たのであろう。)、とある一本の映画に私は魅了された。その名も『ピンポン』。この映画に対する熱中っぷりは吉野シンゴ史上、他に類を見ないものであった。映画を観たその日のうちに、中学までサッカー小僧であった私が、高校では卓球部に入部することを決意。以後の生涯、私は卓球とともに生きていくことになった。つまりは、私の人生を変えた作品となった。

はい、今までのは実写映画『ピンポン』のお話です。原作が漫画だと知ったのはもう少し後のお話。原作を知ってしまった以上、読まずにはいられないのが卓球バカ・そして漫画バカ・吉野シンゴ。読んだ。泣いた。

まず度肝を抜かれたのがその画柄。それまでいわゆる「普通」の漫画しか読んだことの無かった私にとって、松本大洋の描くあの独特の画はカルチャーショック!試合シーンの異常なコマ数に後押しされるスピード感あふれた表現はさいっこうにクールで。

5人の主人公。丁寧に紡がれたそれぞれのバックボーン。涙無しには読み切れない彼らの成長譚。卓球ってこんなにカッコ良いスポーツなのか!!

 

第2位:これほどアツい涙が込み上げてきたのは、いつ以来だろうか。

『大東京トイボックス』うめ

ゲームクリエイターを目指す元気な関西娘・百田モモ。かろうじてゲーム制作会社スタジオG3の企画見習いとなる。しかし、待っていたのは夢と現実の違いを痛感させられる、リアルな修業の日々だった! 面白いゲームのことしかアタマにない天川太陽、キャリアだが隠れた趣味を持つ月山星乃ほか、個性豊かなアイツらが、今日もアキバの片隅でゲーム魂を燃やす!

「仕様を一部 変更する」!!

夢・現実・希望・コンプレックス・仕事・譲れないもの──熱いセリフが胸を打つ、熱血ゲーム業界物語『大東京トイボックス』!

中小ゲーム会社・大ゲーム企業の意地と誇りのぶつかり合い!そして更には政界までもを巻き込んで展開される驚愕のストーリーテリング!ゲーム業界の光と闇を見せつけながら突き進む物語にグングン惹き込まれてしまった。

夢と現実。決して譲れないものをその手に抱え、今日も彼らはゲームをつくり続ける。

感動の涙、とかではなく、とにかく胸を焦がすアツい涙が込み上げてきた。とにかく燻ってる時期に読んでしまったばっかりに、俺のハートに火をつけてきやがった。

読めば、動き出さずにはいられない。そのに。

 

第1位:熱中のすべて。

『SLAM DUNK』井上雄彦

中学3年間で50人の女の子にふられた桜木花道。高校生となった彼は、ふと声をかけてきた女の子・赤木晴子に性懲りもなく一目惚れ。その「バスケットはお好きですか?」との問いに花道は…!?

栄光の第1位は、『SLAM DUNK』。語るまでもない名作なので一言だけ。

「大好きです」。

 

と、いうわけで。日本屈指の漫画オタク・吉野シンゴの人生を変えた!完結済み傑作漫画ランキングbest15!!でした。

厳選に厳選を重ねて捻り出したこの傑作漫画15選。どれも自信を持ってオススメできる傑作揃い。漫画に人生を変えられてみたい方は是非、お読みください。それでは。