【vol.44】第4の壁を軽々とぶち壊すマイペースヒーロー登場。『デッドプール』

-ATrACTシネマ-映画図鑑vol.44

デッドプール

スーパーマイペースヒーロー、誕生。

「残念だ 俺はただのヒーローじゃないぜ」

ウェイド・ウィルソンは、以前は優秀な特殊部隊の傭兵として活躍していたが、今は悪者を気まぐれに痛めつけては金を稼いでいる。すっかり正義のヒーロー気取りの彼は恋人との結婚も決まり幸福の絶頂にあったが、いきなり末期ガンだと診断される。

とある組織にガンを根治できると聞いたウェイドは、彼らに同行して人体実験を受ける。

が、なんとか健康的な肉体を取り戻そうとすがった組織にミュータント遺伝子を注入され、一応は不死身の身体となったものの、しかし恋人との再会をためらうほど無惨な外見と化してしまい……
その外見を隠すため(、そして返り血を隠すため)真っ赤なコスチュームで身を隠した彼は、組織の人間を片っ端から葬り去る復讐の鬼と化し、今まさに銃弾飛び交うハイウェイで死闘を繰り広げている。

 

ヒーローにあるまじき無責任っぷり

悪を挫き、弱きを助け、正義を執行する。これが私たちの思う「ヒーロー」であろう。私は学校でそう習った。

しかし、デッドプールはそんなこと知ったこっちゃない。
責任感のかけらもなく、減らず口を叩きまくり、どこまでも自分のしたいように。
どこまでが本気かなんて全く分からない。

それに、第4の壁を平気でぶち壊す。観客に話しかけてくるヒーローが未だかつていただろうか。

史上、最もふざけ倒したヒーローがそこにいた!!

 

小気味良いアクションの虜に

とにかくお調子者で無責任なデップーなんですが、そんな彼のアクションは最高にクール。
すごくちょこまかと動くのが好きなようで、敵をバカにしつつ暴れまわる。
しかも、おしゃべりしながらサラッとやってのけちゃうのが魅力的過ぎる。

飄々と敵をなぎ倒していくのを観ているのはほんっとに気持ちが良い。

 

どこまでも自分の好きなように

かなり悲劇的な道を通ってきたヒーロー・デッドプールであるが、
今の彼の姿からは、哀しさや暗さは微塵も感じさせない。それがカッコ良すぎる
だって普通あんなひどいことされたら笑えなくなりますよ、喋れなくなりますよ。
それをデップーさんはもう好き放題ガンガン喋って暴れまわって自由自在。

俺はスーパーだが ヒーローじゃない
そんなことを言っていたが、あんたは十分にヒーローだ。
どこまでも自分の好きなように
彼のその自由奔放な生き様は、観る者に勇気と笑いを与えてくれる。

究極のマイペースヒーロー・デッドプールの活躍を、肩の力を全力で抜いて観てほしい。

総評:87%
オススメ度:★★★★☆

作品データ
タイトル:Deadpool
監督:ティム・ミラー
脚本:レット・リース,ポール・ワーニック
原作:ファビアン・ニシーザ,ロブ・ライフェルド
出演:ライアン・レイノルズ, モリーナ・バッカリン,エド・スクライン
制作国:アメリカ合衆国
発表年:2016