【vol.4】彼らは根本的に間違っている。なぜなら、私が間違っているはずがないからだ。『太陽の塔』

-古本屋ATrACT-小説図鑑vol.4

太陽の塔

作者:森見登美彦
発表年:2003
出版:新潮社

京都大学農学部の5回生で現在自主休学中の「私」は、かつての恋人「水尾さん」を研究すべく観察し、240枚にわたる大レポートを書き上げていた。水尾さんから一方的に「研究停止」の宣告を受けながらも自らの調査能力と研究能力、そして想像力をフル活用し研究を続けていた。

そんな中、水尾さんを追いかけるもう一人の男「遠藤」と出会う。遠藤はあらゆる手段を使って「私」の研究を妨害するが、「私」も負けじと報復する。ある日暴漢に襲われそうになった「私」は遠藤に助けられ、遠藤から水尾さんを追いかける理由を聞かされる。

やがて季節はクリスマスになり、四条河原町でええじゃないか騒動がおこる。

「彼らは根本的に間違っている。なぜなら、私が間違っているはずがないからだ」。

妄想力だけを持つ男大学生たちの男汁が溢れ出す。

仄かな切なさも。

ファンタジーと妄想の区別がつかなくなってしまったではないか。

総評:74%

オススメ度:★★★★☆