どうもどうも、-秘密結社ATrACT-古本支部長・吉野シンゴです。
さて年末・大晦日。今年もこの季節がやってきました。
日本屈指の漫画オタクによる2017年漫画総決算!
「このマンガがやばい!!2017」!!
お待たせいたしました。皆さんお待ちかね、一年に一度のこの夢の企画。
日本屈指の漫画オタクこと私・吉野シンゴ。
今年も今年とて、数々の漫画を読み漁ってまいりましたよ!
「このマンガがやばい!!」ルール解説!どどん。
「このマンガがやばい!!」とは…
-秘密結社ATrACT-古本支部-古本屋ATrACT-店主・吉野シンゴがその年に初めて読んだ漫画の中から
独断と偏見でもって厳選10作品をランキング付けするという企画である…!!
もう一度繰り返すが、ノミネート作品は吉野シンゴがその年に読んだ漫画だ。
その作品が発表された年は関係ない…!
「このマンガがやばい!!」とは…!
往来の名作から、今をときめく新作まで、幅広い層の作品がランクインすることで
全国の漫画ファンから毎年大きな注目を集める、日本最大級の漫画格付けである…!!!
ハードルをギリッギリまで上げ切ったところで、早速ランキングのほういってみましょう。
いざ、開幕。
「このマンガがやばい!!2017」
第10位:時をかけるおっさんお風呂コメディ。
『テルマエ・ロマエ』ヤマザキマリ
「当たり前すぎて忘れかけていた日本の素晴らしさを再確認した」(sさん,20歳,男)
「ルシウスのクソ真面目なリアクションに終始笑いっぱなし!」(sさん,20歳,男)
世界で最も風呂を愛しているのは、日本人とローマ人だ!!風呂を媒介にして日本と古代ローマを行き来する男・ルシウス!!彼の活躍が熱い!!……風呂だけに。
第10位!タイムスリップお風呂コメディ『テルマエ・ロマエ』!
現代の日本人が当たり前のように利用している「風呂」。
それは古代ローマ時代では想像を絶するような大発明の数々。
古代ローマの浴場から現代日本にタイムスリップした浴場設計技師・ルシウス!
浴場に描かれる富士山から湯上りの牛乳・露天風呂・温泉街などなど…
現代日本人にとっては当たり前だが、古代ローマでは観たこともないものを目の前にした彼のクソ真面目なリアクションがいちいち面白かったですね。
それにしても、日本というのは素晴らしい国だなぁ…
総評:91%
オススメ度:★★★★★★
作者:ヤマザキマリ
巻数:全6巻
発表年:2008~2013
掲載:コミックビーム
出版:エンターブレイン
第9位:大妖怪と少年。凸凹コンビの大冒険。
『うしおととら』藤田和日郎
「これぞ!王道少年漫画ド直球!!」(sさん,20歳,男)
「うしおととらのすべてが詰まったあのラストバトルにアツくならないヤツはいない」(sさん,20歳,男)
蔵の中に、500年も閉じこめられていた妖怪。ヤツはその昔、人を食い、悪業の限りを尽くしていた。ひょんなことからヤツを解き放ったのが、蒼月潮。うしおはヤツにとらと名づけた……。うしおととらの伝説が、いま、幕を開ける!
第9位!大妖怪と少年。凸凹コンビの大冒険『うしおととら』!!
次々と迫りくる怪異・悪の妖怪との死闘を乗り越えるごとに深まっていく少年と大妖怪の絆。
数々の魅力的で強力なライバルや助っ人たちとの友情。
「獣の槍」の秘密,大妖怪「とら」の正体,黒幕「白面の者」の真の野望…
多くの謎が絡まり合い、徐々に明かされていく壮大な物語の全貌。
そして、うしおととらの旅のすべてが集結するラストバトル…!
クライマックスにかけてのあの尋常ならざる盛り上がりには鳥肌が立ってしまいました。
大学誌の取材で作者である藤田和日郎先生にインタビューさせていただいたのですが、
この『うしおととら』には藤田先生のやりたかったことを全て詰め込んだそうです。
いやー、久々にここまでストレートにアツく楽しめる漫画を読みました。
色褪せることのない超王道少年漫画!!
総評:77%
オススメ度:★★★★★
作者:藤田和日郎
巻数:全33巻
発表年:1990~1996
掲載:週刊少年サンデー
出版:小学館
第8位:創作の、狂気と狂喜。
『映画大好きポンポさん』杉田庄吾(人間プラモ)
「90分の映画のようにさらっと楽しめる。でも、そこに描かれているのは深すぎる愛と情熱」(sさん,20歳,男)
「あぁ、幸せ」(sさん,20歳,男)
ポンポさんは敏腕映画プロデューサー。映画の都ニャリウッドで日夜映画製作に明け暮れていた。ある日アシスタントの“映画の虫”ジーンはポンポさんから突然「この脚本は君に撮ってもらうから」と監督に指名され!?
第8位!大好きな映画づくりに情熱を懸ける者たちの喜びの物語『映画大好きポンポさん』!!
創作の狂気と感動を描いた話題騒然のWeb漫画です。
いやいや、こんなに完成度の高い漫画がwebでは無料で公開されてるんですよ…
「90分の映画」のように、さらっと読める可愛らしい画の漫画。
そこに描かれるのは、大好きな映画にかかわる様々な人物の映画に対する大きな愛。
好きなことをする時間って、何物にも代えられないんですよ。
ひとつのものを生み出す喜びや感動、そして苦悩や葛藤。
ものづくりへの愛と熱に溢れている。
そんな彼らの熱に触れて、私は思った。
あぁ、幸せ。
総評:81%
オススメ度:★★★★★
作者:杉谷庄吾(人間プラモ)
巻数:全1巻
発表年:2016
出版:KADOKAWA
第7位:迷推理が解き明かすは、団地に隠された奇妙で切ない真相。
『外天楼』石黒正数
「完全に油断していた。二周目、読みます」(sさん,20歳,男)
「ギャグの中に仕込まれたピースがハマり始めている事に気付いたときには、もう遅い」(sさん,20歳,男)
外天楼と呼ばれる建物にまつわるヘンな人々。エロ本を探す少年がいて、宇宙刑事がいて、ロボットがいて、殺人事件が起こって……? 謎を秘めた姉弟を追い、刑事・桜場冴子は自分勝手な捜査を開始する。“迷”推理が解き明かすのは、外天楼に隠された驚愕の真実……!? 奇妙にねじれて、愉快に切ない――石黒正数が描く不思議系ミステリ!!
……やられた。
序盤中盤と、「外天楼」と呼ばれる建物にまつわるヘンな人々のギャグ短篇が繰り広げられるモンだから、完全に油断していました。
ラストが近づくにつれ、次第に明かされていく「外天楼」の秘密。
ギャグの中に隠されたヒントの数々が見事に収束していく。伏線を伏線と思わせないあの構成には頭が上がりません。
生物倫理などの社会問題も上手くテーマとして落とし込まれている。
序盤のコミカルさと終盤のシリアスさの落差に、愕然としてしまうこと間違いないでしょう。
誰がエロ本探しの少年たちのお話からあのラストを思い描いただろうか。
恐れ入りました。
総評:92%
オススメ度:★★★★★
作者:石黒正数
巻数:全1巻
発表年:2008~2011
掲載:メフィスト
出版:講談社
第6位:日々を「働く」奴らの物語。
『働きマン』安野モヨコ
「この理不尽な現代社会を生きる力を」(sさん,20歳,男)
「様々な人々の生き様が、「働く」とは何たる事かを教えてくれる」(sさん,20歳,男)
週刊『JIDAI』の女性編集者、松方弘子29歳元巨乳。寝食も忘れ、凄まじい勢いで仕事に没頭する彼女のニックネームは人呼んで『働きマン』。仕事人間の松方だけでなく、松方の周りで働く様々なタイプの人達の視線を通して、「働くとは何か」を問う!
第6位!全力で働く奴らの物語『働きマン』!!
悩んで、悩んで、悩んで、現実に打ちのめされて。
疲れ切った時に読んでみてください。
きっと、力を貰えますから。
週刊誌刊行の現場で働く者たちの、多種多様な「働き様」。
現代社会のひとりひとりに物語はある。
仕事とは。働くとは。
一所懸命。
総評:87%
オススメ度:★★★★★
作者:安野モヨコ
巻数:全4巻(休載中)
発表年:2004~
掲載:モーニング
出版:講談社
第5位:自分にはもう描きたい事など何もない。
『零落』浅野いにお
「漫画の、そして人間の本質を抉る極限の怪作」(sさん,20歳,男)
「浅野いにお。私は あなたが 怖いです」(sさん,20歳,男)
ある漫画家の、脇目もふらず駆け抜けてきた連載が終わった。
久しぶりに立ち止まった自分に残されていたものは、
残酷なまでの“空虚感”だった。
大切な存在ほど信じ切れず、束の間の繋がりだけに
縋り始める日々―――
漂流する魂が着地した時、男の本当の姿が現れる。
第5位。浅野いにお、衝撃の新境地へ–『零落』。
「喜びも悲しみも人としての営みも、全て漫画の中に置いてきた。自分にはもう描きたい事など何もない。」
最終話、極限の4ページに背筋が凍る。
「君は…何にもわかってない…」
漫画とは何か。人生とは何か。
たぶん、浅野いにお自身の事を描いた作品なんだろうけど、
いつにも増してダークで、鬱屈で。
浅野いにおは今まで何を思って漫画を描いてきたんだろう。
今まで何を思って生きてきたんだろう。
若さは失われていくのだろうか。
浅野いにおの時代がおわる。
総評:96%
オススメ度:★★★★★
作者:浅野いにお
巻数:全1巻
発表年:2017
出版:小学館
第4位:異常の、過負荷による、悪平等のための生徒会バトル漫画。
『めだかボックス』暁月あきら,西尾維新
「こういった非常に天邪鬼で捻くれている漫画は大好物です」(sさん,20歳,男)
「まさかのジャンプ全否定漫画!?」(sさん,20歳,男)
箱庭学園に設置された目安箱は、24時間365日、生徒の誰もが、どんな悩みでも投書できる、通称”めだかボックス”!生徒たちのあらゆる悩みを解決する為に完全生徒会長・黒神めだかの奮闘の日々が始まった!!
第4位!異常の、過負荷による、悪平等のための生徒会バトル漫画『めだかボックス』!!
最初の頃は何でも屋的な生徒会ものだったのですが、途中から捻くれまくって大化け。
ただの巨乳萌え漫画だと思ったら大間違いだぜ。ただの巨乳萌え漫画だと思っていてすみません。
とにかく、ただのバトル漫画ではない、とだけ言っておこう。
おおよそ天下の少年ジャンプにあるまじき捻くれっぷり。
展開が読めなさ過ぎて最高に面白い。
「負完全」球磨川禊が出てきてから最高に面白かった。
絶対に負けてしまう「負完全」球磨川くんなんですけど、
勝てない彼がどうその場をのらりくらりと乗り切るのか、毎回毎回楽しみになる。
「『また勝てなかった』」
ジャンプ通というか、漫画通にはたまらない展開の連続だと思います。
西尾維新が原作なだけあって、言葉遊びというか細かなメタ展開とかジャンプ否定とか。良い。
遊び心がふんだんに詰め込まれていて、中盤のキレッキレ具合は他の追随を許さない。
こんなに面白い展開はないと思った。
「生徒会を執行する!!」
総評:86%
オススメ度:★★★★☆
作者:西尾維新,暁月あきら
巻数:全22巻
発表年:2009~2013
掲載:週刊少年ジャンプ
出版:集英社
第3位:見敵必殺(サーチアンドデストロイ)!!
『HELLSING』平野耕太
「ただただ、ひたすらに恰好良い」(sさん,20歳,男)
「圧倒的暴力の中に垣間見える人間賛歌に酔った」(sさん,20歳,男)
舞台は英国。吸血鬼による暴虐な事件が横行していた。そこで結成されたのが、反キリストのバケモノを狩る機関 王立国教騎士団 通称「HELLSING機関」。その一員である主人公 アーカードは吸血鬼討伐のエキスパート。彼自身も吸血鬼であり、銃で撃たれようと、首をもがれようとその肉体は不死身。事件に巻き込まれ吸血鬼の体となってしまったセラス・ヴィクトリアも機関に加わり、団長 インテグラルの指揮のもと、今日も吸血鬼事件の鎮圧に向かう。
第3位!戦闘狂たちの狂騒曲『HELLSING』!!
登場人物のほとんどが狂ってやがる…!!
そのどいつもこいつもに芯があって目が離せられない。
特に戦争狂・少佐。
自身が如何に戦争が好きかを語る演説シーンはもはや伝説。
「よろしい ならば戦争だ」
非常に暴力的で過激な展開の連続。それが最高に恰好良い。
大英帝国王立国教騎士団「ヘルシング」・ナチス残党最後の大隊「ミレニアム」・ヴァチカン法王庁特務局第13課「イスカリテオ」、三つ巴の大戦争。
生き残るのは…
「見敵必殺(サーチアンドデストロイ)!!」
総評:96%
オススメ度:★★★★★
作者:平野耕太
巻数:全10巻
発表年:1997~2008
掲載:ヤングキングアワーズ
出版:少年画報社
第2位:………
該当作品、無し!!!!!
はいどうも、素の吉野シンゴです。おひさしぶりですね。
なんと今年度の「このマンガがやばい!!2017」には第2位作品はありません!
どういう事かと言いますと、
最高に面白かった作品が二つありまして、そのどちらにも優劣つけ難く…
えーい!もう両方とも1位にしてしまえ!!と、いうわけです。
これから発表する2作品は「このマンガがやばい!!」編集長が
絶大な自信をもってオススメする大傑作でございます。
さあ、それでは満を持して登場していただきましょう。
「このマンガがやばい!!2017」大賞は、この漫画たちだ!!
第1位:動き出せ、描け。
『描かないマンガ家』えりちん
「口だけ野郎共、目を覚ませ」(sさん,20歳,男)
商業漫画家でもなく同人漫画家でもない第三の漫画家・“描かないマンガ家”――それが、器根田刃である。マンガ専門学校に通いながらも、恐ろしく絵が下手で、これまで一切ネームすら描いたことがない、自称・マンガ家の彼が、マンガを描く日は果たして来るのか!?
目が覚めた。
大口ばっかたたいて、実際にはなーんにも行動しない。
そんな男。自称漫画家・器根田刃(26)。
全力で現実から逃げて逃げて、偉そうなことばっか言って、
でも、漫画に懸ける情熱(※あくまで口だけ※行動は一切しない)で周りを勇気づけて…
前半はそんなコメディ調の漫画で楽しく読めました。
しかし、物語後半。現実が襲いかかってきた。
彼が意地でも漫画を描かないその間に、
見下していた仲間たちは少しづつ、でも確実に成長していた。
気が付けば彼らとの間には大きな大きな差が…
彼らから痛いほどに現実を突きつけられた器根田は、遂に漫画を……!
本当に面白い漫画に出会えました。
そして、自分の不甲斐なさに気が付いた。
俺も、器根田と同じ口だけ野郎だった。
結局、何かを成し遂げるためには努力するしかないんだ。
もう、動き出さずにはいられない。
総評:99%
オススメ度:★★★★★★
作者:えりちん
巻数:全7巻
発表年:2010~2014
掲載:ヤングアニマル
出版:白泉社
第1位:燃やせ、ゲーム魂。
『大東京トイボックス』うめ
「これほどアツい涙が込み上げてきたのはいつ以来だろうか」(sさん,20歳,男)
ゲームクリエイターを目指す元気な関西娘・百田モモ。かろうじてゲーム制作会社スタジオG3の企画見習いとなるしかし、待っていたのは夢と現実の違いを痛感させられる、リアルな修業の日々だった!
面白いゲームのことしかアタマにない天川太陽、キャリアだが隠れた趣味を持つ月山星乃ほか、個性豊かなアイツらが、今日もアキバの片隅でゲーム魂を燃やす!
第1位!ゲーム業界熱血群像劇『大東京トイボックス』!!
中小ゲーム会社・大ゲーム企業の意地と誇りのぶつかり合い!
そして更には政界までもを巻き込んで展開される驚愕のストーリーテリング!!
ゲーム業界の光と闇を見せつけながら突き進む物語にグングン惹き込まれてしまった。
夢と現実。
決して譲れないものをその手に抱え、今日も彼らはゲームをつくり続ける!
「仕様を一部 変更する」!!
読めば、動き出さずにはいられない。
総評:99%
オススメ度:★★★★★★
作者:うめ
巻数:全10巻
発表年:2006~2013
掲載:コミックバース
出版:幻冬舎
総括「このマンガがやばい!!2017」
1.大東京トイボックス/うめ
1.描かないマンガ家/えりちん
3.HELLSING/平野耕太
4.めだかボックス/西尾維新,暁月あきら
5.零落/浅野いにお
6.働きマン/安野モヨコ
7.外天楼/石黒正数
8.映画大好きポンポさん/杉谷庄吾(人間プラモ)
9.うしおととら/藤田和日郎
10.テルマエ・ロマエ/ヤマザキマリ
さてさて、ランキングの発表が終了いたしましたが、「このマンガがやばい!!2017」はいかがだったでしょうか。
今年は私自身が自堕落の極みな生活を送っていたので、何かとやる気が沸き起こって止まらないような漫画が強かったですね…!
あと、ココだけの話、大絶賛連載中の
『東京喰種 トーキョーグール』『東京喰種 トーキョーグール :re』の扱いに困りすぎて
結局ランク外にしてしまったというウラ話があるのですが聞かなかったことにしてください。
めちゃめちゃ好きですトーキョーグール。
完結したらランクインさせようと思います。
あ、じゃあ今年のは実は「ノミネート作品は完結済作品のみ」だったということにしましょう。
いま決めましたが最高責任者の決定ですので決まりっす。
今年も良い漫画とたくさん出会えて良かった。
史上初の大賞W受賞ということで大変な盛り上がりを見せた今年度大会ですが、そろそろお別れのお時間がやってきたそうです。
それではまた来年
「このマンガがやばい!!2018」
でお会いしましょう。
さようなら。